

初対面の人と話をしたり、人前で話をすることになると恐れの気持ちが出てくる人も多いはず。
「対人恐怖症」とも呼ばれ、何年も苦しんでいる人もいると思います。
どうして人と話すのが怖いのか原因を知ることができれば、克服することができます。
今回は人と話すのが怖い、コミュニケーションに苦手意識を持っている人に向けて原因や特徴、克服方法を紹介します。
みなさんは誰と話すと恐怖心が出てきますか?
多くの人は、家族や友人との会話のときまで怖さを感じることはありません。
また、自分をさらけ出しても大丈夫、ラクにいられて安心感のある人に対して、恐怖心が出てくるケースもほとんどありません。
ではどんな場面で恐怖心が出てしまうのか、一例をあげてみます。
必要最低限の話はすることはあっても、さらに踏み込んだお互いの距離を縮める話ができない人が多いです。
相手に嫌われたくない、よく思われたいという、自分に意識が向いた状態では相手と関係を深めていくことはできません。
そして自分をさらけ出すことができず、最低限の関わりに留めてしまいます。
そのため対人への恐怖心が改善に向かわないのです。
また会話を避けることで視野が狭くなっているため、何をすれば恐怖心を克服できるのかがわからず本やインターネットで調べても解決できません。
人と話す前や話している最中に、恐怖心や不安な気持ちが強くなりすぎることによる、極度の緊張状態が症状を生み出します。
この時、自分の言葉遣いや話し方、表情などを意識しすぎてしまいます。
また、緊張や不安な気持ちを隠そうとするあまり、余計に自分の内側に意識が向くことで緊張感が増して負のサイクルに陥るのです。
とはいえ、誰もが話をしていると、時には緊張や不安な気持ちは起こります。
しかしその状態があまりにも強すぎると不安や恐怖に飲まれてしまうのです。
具体的な症状を見ていきましょう。
症状には大きく二通りあります。
「変に思われているのではないか」「悪口を言われているのではないか」といった被害性の症状があります。
具体的には以下です。
「自分が相手に迷惑を掛けてしまっているのではないか」といった加害性の症状があります。
具体的には以下です。
人と会話するのが怖くなる原因には大きく分けて、「先天的要素」と「環境要因」があります。
神経質な人は、不安感が強く、緊張しやすく会話が怖いと感じます。
また、その人の身体的な特徴、身体が太り気味であったり、体臭がきついなど、周囲の人たちと異なる部分が多いほど自己評価が低く、自分自身に自信が持てないため、他人の影響を受けやすい傾向にあります。
「自分はみんなと違う、変だ、おかしい」と考えることで自己否定に繋がり対人恐怖症になるのです。
次に私たちの周りの環境や条件である環境要因を見てみましょう。
日本人は昔から個人よりも集団の考えを優先する、という考え方が根付いています。
例えば、子供であれば親の期待に応えるために勉強や部活動に一生懸命になり、大人になると会社や所属する部署のために上司や先輩に対して従順であることが求められます。
このような考え方が定着している日本では、誰もが多かれ少なかれ他人の目や評価を気にしなければならず、私たちは全員対人恐怖症ともいえるかもしれません。
また、親子関係に問題があるケースも考えられます。
親が子供に対して何をするにも否定的な態度で関わってきたり、他の兄弟姉妹と比べて違いを指摘する人もいます。
また、親が暴力的で、常に親の顔色を窺っている人や親に認められる為に無理をして良い子を演じてきた人もいるでしょう。
学校生活では、他の友人との違いを意識することが症状の要因になりえます。
勉強や運動ができるかどうか、面白い話ができるか、友達が多いかどうかなどです。
また、学校でのいじめや嫌がらせ、恥ずかしい状況に置かれた経験などが対人恐怖症を引き起こす可能性があります。
昔の日本は家族や親戚が近くに住むことで、密な関わりをしながら暮らしてきました。
ですので、様々な年代の人たちと関わることで人との付き合い方を自然に学ぶことができました。
しかし、現在の日本社会は核家族化が進み、親族同士の交流も希薄になってきました。
そのため、年上、年下との付き合いもあまりありません。
そして、SNSの普及により対面でのコミュニケーションの必要性が徐々に薄れています。
SNSはいつでも連絡が取れる、つながれる、お互いの状況を簡単に知ることができ便利な反面、対面でのコミュニケーションも減ってきたことで、対人恐怖症が生まれやすい社会にもなってきています。
では人と話すのが怖くなる人の特徴にはどのようなものがあるのでしょうか。
自己評価が低い人はすぐに他人と比べてしまい、周りより自分は劣っていると感じてしまいやすいです。
評価の基準が自分ではなく常に他人よりできるかどうかになっているため、いくら頑張ってもなかなか自信が持てません。
また周囲からの評価が常に気になり、他人の目をどうしても気にしてしまいます。
自己評価が低いと周囲からどう思われるかが問題となります。
表面上はいい人、関わりやすい人を演じることになり、不満や嫌悪、怒りなどの感情を表面上出さないよう無理して抑えようとしてしまいます。
本当は耐えきれないほどのしんどさ、つらさがあるはずなのに、自分の気持ちを無理に抑えて生活しているので症状が出てきます。
感情を表に出さないので深刻に悩んでいるように見えず、自分の辛さを周囲から気づいてもらえないことで余計に苦しむことになります。
では対人恐怖症をどのようにすれば克服できるのでしょうか。
まず症状を無くそうと無理をするのではなく、今のありのままの自分を受け入れてみましょう。
自分自身を受け入れることで、自己肯定感を高め、自信を持つことができます。
人は完璧ではありません。誰にでも改善の余地はあります。しかし、自分自身を否定することで、ますます自信を失い、不安やストレスを増大させてしまいます。
日々の生活で蔑ろにしてきた自分の思いや考えにしっかり目を向けて、自分自身と対話していく中で本来の自分を取り戻していきましょう。
自分という存在にしっかりとした中身があると思えれば、恥じることなく人と話すことができるようになります。
人は評価する基準として「自分が自分にする評価」と「他人が自分にしてくる評価」の2つがあります。
自分が自分にする評価が10点の人は残りの90点を他人からの評価で埋めようとします。
他人からの評価で自分の価値が決まるような感覚のため、「他人の目は気にしないで」と何度言っても効果がありません。
自分の基準を知り、その基準をもとに自分で自分を評価できるようになりましょう。
自分なりの頑張りを評価できるようになれば、たとえ他人より劣っていたとしても自分への評価を高めることができ、他人からの評価は必要なくなります。
自分を客観的に観察することで、価値観や考え方、行動などを理解し、対人恐怖症につながる問題点を特定できるようになります。
すると今までの自己評価は誤っていたことに気づくかもしれません。
適切な自己評価を持つことで自己肯定感も高まります。
すると、自分が前向きな見方を持つことができるようになります。
これは、自分自身や周りの人々との関係を改善し、心豊かな人生を送るために大切なことになります。
人と話すのを克服するために自分から話すことができればよいのですが、自分から声をかけるのは難しいと感じる人も多いはずです。
まず、相手から話してもらえるような雰囲気作りが大切です。
例えば、毎日の挨拶を心がけることや周囲と笑顔で接する、話を聞くときは適度な相づちを心がけてみるなどです。
これらを意識するだけでも円滑なコミュニケーションが期待できます。
まず積極的に自分からコミュニケーションをとれるようになるために、ご自身にとって比較的楽にいられる場所や状況から始め、少しずつ苦手な場面にも挑戦していきましょう。
また、スピーチやプレゼンテーションなど、特定の場面に向けた練習も効果があります。
周囲からアドバイスを受けながら場数を踏み経験を積むことが大切になってきます。
まずは今の自分を受け入れることが大切です。
今回の記事で紹介した方法をぜひ試してみてください。
しかし、自分で上手くいくか、不安な人もいますよね。
話すのが怖い自分を少しでも早く克服したい方はコミュニケーション講座をおすすめします。
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