

みなさんが普段何気なくとっているコミュニケーションですが、いざ「コミュニケーションとは何ですか?」と聞かれたら、どのように答えますか?
「言葉のやりとりをすること」「気持ちを伝えること」など色々な答えがあるかもしれませんが、明確にこれだと答えられる人は少ないのではないでしょうか?
経団連による「2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」では、選考時に重視する要素として、コミュニケーション能力が16年連続で1位となっています。
それだけ、コミュニケーションは大切だと思われています。
また、組織内におけるトラブルの原因の90%以上は、コミュニケーションミスによって引き起こされていると言われています。
このように、コミュニケーションは現代を生きていくために必要不可欠な要素であると言えます。
今回は、コミュニケーションとはそもそも何なのかや、正しいコミュニケーション、コミュニケーションのメリットなどについてご紹介します。
コミュニケーションとはどのような意味なのでしょうか?
広辞苑によると、以下のように説明されています。
社会生活を営む人間の間に行われる知覚・感情・思考の伝達。言語・文字その他視覚・聴覚に訴える各種のものを媒介とする。
広辞苑 第六版
お互いの思考や気持ち、価値観を、文字や言葉などで伝え合う行為であると言えるでしょう。
家族や親戚、友人や知人、職場の同僚、取引先の人など、比較的親しい間柄の人もいれば、外出先での店員さんなどは少ししか会話をする機会がなかったり、旅行先などでは一度しか会話をする機会がない人もいるかもしれません。
相手によってコミュニケーションを取る頻度の違いがあります。
このように、コミュニケーションを取る重要性は相手によって変わってきます。
コミュニケーションはお互いの思考・気持ち・価値観を伝え合う行為であると説明しました。
私たち人間は、大きく2種類のコミュニケーションで伝えあっています。
文字通り言語、言葉によるコミュニケーションです。
私たち人間は、思考や感情を言葉や文字で表現しています。
言葉により詳細に伝えることが出来ますが、言葉に含まれている背景など、言葉以上の情報を読み取ることが出来ません。
近頃は会議、オンライン会議、電話、メール、手紙など、重要な情報を伝える場面が多くありますが、なるべく分かりやすく具体的に伝える必要があります。
もう一つのコミュニケーションとして、非言語コミュニケーションというものがあります。
文字通り、言葉や言語以外のコミュニケーションのことです。
例えば、話す姿勢や態度、顔色や顔の表情、話すスピードや声のトーン、視線、ジェスチャーなど、言葉以上に重要な役割を果たします。
みなさんは、相手の話す内容と相手の様子に何か違和感があると感じたことはないでしょうか?
相手のためを想ってした行動に対して、相手が嬉しさや感謝を伝えようと心から「ありがとう」と言われるのと、相手が別にやってもらわなくても良かったのに~余計なお世話だな~と思いながら「ありがとう」と言われるのでは、印象が大きく違うと思います。
この「ありがとう」には、言葉だけでなく、表情や声のトーン、視線など、非言語のコミュニケーションも乗っているのです。
非言語のコミュニケーションによって、同じ言葉でも全く異なる印象を相手に与えます。
そのため、どんなに良い言葉を並べたとしても、伝える側が言葉通りのことを心から思っていなければ、相手には届かないでしょう。
また、受け取る側も言葉の意味だけを受け取るのではなく、相手の非言語のコミュニケーションを読み取って、その言葉の背景を考える必要があります。
ここまで、コミュニケーションの意味やコミュニケーションの種類について解説してきました。
では、どのようなコミュニケーションを取る必要があるのでしょうか?
正しいコミュニケーションとは何なのか紹介します。
コミュニケーションは、伝える側ではなく受け取る側で成り立っています。
そのため、あなたが何を伝えたかではなく、それが相手に「どのように伝わった」かが重要です。
あなたが伝えたかった内容を、相手が完全に理解しているとは限りません。
同じ単語や言葉であっても、人それぞれが理解している意味や価値観、前提が異なってきます。
例えば、「ペンを取って」とお願いされたとしても、黒のボールペンを想像する人もいれば、サインペンを想像する人、三色ボールペンを想像する人、色々な人がいると思います。
このように、意味の理解や価値観・前提のズレによって、認識のズレを生み出してしまいます。
相手が話した言葉や書いた文章を、無意識のうちに自分の経験に置き換えて理解してしまうのです。
そのため、「伝える」のではなく「伝わる」までコミュニケーションする必要があります。
「伝える」とは自分から相手へ一方的に情報や感情などを受け渡すことであり、相手の理解や反応は考慮していません。
「伝わる」とは、自分から相手へ情報や感情などを受け渡すまでは同じですが、それを相手が正しく理解している状態と言えます。
そして、相手が正しく理解することで、そこから相手に何かしらの感情や気付きが生まれ、相手の次の行動へ繋がります。
情報は論理的なものなので、誰もがその言葉通りに受け取り、そこに感情が発生することはありません。
しかし、情報を伝えることとコミュニケーションは異なります。
人間は感情を持つ生き物だからこそ、意図(気持ち)も伝える必要があるのです。
例えば、自分が相手からおつかいを頼まれたとします。
そして、おつかいから帰ってくると、「それ、もう必要なくなった」と言われたらどうでしょうか?
本当に自分が行く必要があったのか、この時間は何だったのかと、モヤモヤする気持ちになるのではないでしょうか。
一方で、「おつかいに行ってくれたところ本当にごめん。それ今回はもう必要なくなったんだ。また次回使うかもしれないから、それまでとっておくね。時間をとってしまって本当に申し訳ない。」と謝られたらどうでしょうか?
申し訳無さが伝わってきて、許しても良いと思えるのではないでしょうか。
このように、単なる情報を伝えるのではなく、そこに意図(感情)を乗せることで、相手とのコミュニケーションが成立し、おつかいが無駄だったという事実を受け止めることが出来るのです。
これまで、コミュニケーションの重要さや、正しいコミュニケーションなど説明してきましたが、コミュニケーションのメリットはどのような部分があるのでしょうか?
コミュニケーションを取り合うことでお互いの理解が深まります。
しっかりとコミュニケーションをとることで、自分の考えや感情が相手に伝わります。
はっきりと言葉にしなければ自分の考えや感情は相手に伝わらないので、コミュニケーションをとることは重要です。
また、相手の話をしっかり聞くことで、相手の考えや感情、価値観を理解できます。
お互いのそれぞれの考えや価値観、感情の理解の相違が無くなり、関係性のトラブルを未然に防ぐことができます。
コミュニケーションのメリットの一つに、お互いの理解が深まることは先で説明しました。
相手の理解が深まれば、相手の人間性も分かってきます。
相手の人間性が分かれば、相手の行動や思考を予想することができます。
相手の行動や思考を予想出来るようになれば、安心して相手と過ごすことができるようになります。
積極的にコミュニケーションをとり、お互いの理解を深めることは、お互いの信頼関係を強めることにも繋がります。
コミュニケーションをとることは、仕事においてもメリットになります。
コミュニケーションをとり、お互いの目標やスキルを共有することで、適材適所への役割分担をしやすくなり、組織の作業効率が向上します。
作業効率が上がると、無理のない範囲で業務量を増やすことができるので、生産量を増やすことができます。
これまで、正しいコミュニケーションやメリットについて紹介してきましたが、良いコミュニケーションをとるコツはどんなものがあるのでしょうか?
まずは相手の考えや感情をよく聞きましょう。
相手の考えていることや、感情に興味を示して、相手の価値観を尊重することが大切です。
人が話をするときに満足感を感じるのは、「自分の話を十分に聞いて理解してくれた」と感じるときです。
そのため、相手が話をしているときは、別の話をしないようにしましょう。
話の腰を折ってしまうと、相手は伝えたいことを十分に伝えられなくなってしまいます。
その状態が続くと、相手は不快感・不信感を感じてしまいます。
「話して良かった」と思ってもらえるためにも、相手の話は最後まで聞くことが重要です。
先に、同じ単語や言葉であっても、人によっては理解している意味や価値観、前提が異なってくることを説明しました。
相手に伝えるときは、理解や価値観など前提がズレている可能性を考慮した上で、相手に正しく伝わるよう、分かりやすく伝えることが重要です。
相手と話をするときは、相手の声の大きさやトーン、速さ、身振り手振りなどを合わせて自分も話すことがポイントです。
その時に、相手の言葉を勝手に言い換えないように注意しましょう。
人は、「相性が良いな」「何となく気が合いそうだな」と思える相手に対して、信頼感や安心感を感じます。
相手に良い印象を与えることで、相手からまたコミュニケーションしたいなと思ってくれるのです。
人とコミュニケーションをとっていると、時には自分の考えと異なる考えを持っている人と話す機会があると思います。
そのようなときでも、まずは相手の考えを受け入れることが大切です。
「確かに、これのこの部分は良いよね。自分はこの部分はこう思うかな。」
このように、一旦相手の考えを受け入れてから、自分の考えを話すようにしましょう。
いきなり相手を否定してしまうと、相手が感情的になってしまったり、コミュニケーションを止めてしまう可能性があるので、関係性を築けなくなる恐れがあります。
相手の考えと異なる考えを話すときは、いきなり一方的に否定するのではなく、まずは相手の考えを受け入れてから、自分の考えを話す「対話」を意識しましょう。
他人と信頼関係を作っていく上で、自己開示することは大切なポイントになってきます。
自己開示とは、自分の考えていることや気持ち、自分の情報などを相手に伝えることです。
初対面の人に対してやビジネスの場面などでは積極的に自己開示をする必要性はそこまでありませんが、適度に自己開示を行うことで、相手は自分のことも話しやすくなり打ち解けやすくなります。
ここまでコミュニケーションについて色々説明してきましたが、多くの人がコミュニケーションで悩んでいる現実があります。
なぜでしょうか?
人類は他の生き物と比較して非常に高度なコミュニケーションが可能で、それによって人類が発展してきました。
人類の言葉は非常に柔軟で、それによって複雑な思考も可能となりました。
現在のことだけではなく、未来の話や、過去の話、さらには実態がない概念の話もできるのです。
この高度な思考能力と情報伝達能力により、人類は「会ったことがない人」や「遠方の人」とも意思疎通しあい協力することができるのです。
共通のビジョンを全員に共有できることで、大規模な集団を率いることが可能になりました。
集団での生産性は非常に大きいですが、一人でできる量は少ないので、他人とのコミュニケーション・関係性を避けて生活していくことは難しいです。
現代社会で生活しているからには、何らかの形で人と関係を結び、信頼関係を築き、協力し合っていく必要があります。
現代でのコミュニケーションの重要さを理解しているからこそ、自分がコミュニケーションをうまくできていないと感じた時に、大きな不安感や不快感を覚えて悩む人が多いです。
また、人は苦手意識を持つものを無意識に避ける傾向にあります。
無意識にコミュニケーションを取ることを避け、よりコミュニケーションが苦手になるという悪循環に陥ることも多いです。
みなさんは一番コミュニケーションをとっているのは誰だと思いますか?
答えは先に書いてしまいましたが、実は自分自身と一番多くコミュニケーションを取っています。
例えば、何か新しいことにチャレンジしてみようというときに、自分の心には色々な思考が浮かぶのではないでしょうか?
「うまくできるかな…」
「めんどくさいな…」
「不安だな…」
「でも上手く行けば楽しそうだな…」
このように、人は何をするにしても、自分自身とコミュニケーションを取っています。
勝手に体が動いて生活していることはないでしょう。
人は自分自身と一番コミュニケーションを取っているので、自分と良いコミュニケーションを取れれば、人生の質はより良いものになります。
ここまで、コミュニケーションについて様々なことを紹介してきましたが、この記事を読んでいる方の中には、コミュニケーション能力に自信が無い方も多くいるのではないでしょうか。
コミュニケーション能力を高めるためには、コミュニケーションの正しい知識やコツを知ることと、それを出来るようになるための実践練習が重要です。
世の中にはコミュニケーションについて解説している本や、動画など数多くありますが、いざ実践となると、いきなり本番で実践することは難しいのではないでしょうか。
かと言って、練習する場所や相手もいないですよね。
そのため、本は持っている、動画は見たことはあるけど、コミュニケーションは上達していない人が多くいることも事実です。
なかなか練習の場や練習相手を持てない人は、コミュニケーション講座に通うことをオススメします。
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