
「何を聞けばいい?」質問できない・思いつかないのはなぜ?会話で質問が生まれるコツと練習法

「人と話していると、質問したほうがいいのは分かっている。でも、何を聞けばいいのか思いつかない」
そんな悩みはありませんか?
相手から話しかけられれば何とか答えられるのに、自分から質問しようとすると、急に頭が真っ白になる。
「何か聞かなきゃ」と思えば思うほど、言葉が出てこない。
ようやく思いついたころには話題が変わってしまった…
という経験がある人もいるでしょう。
特に、初対面の人との会話や職場での雑談、上司や先輩とのやり取りでは、「変なことを聞いたらどうしよう」「そんなことも知らないの?と思われたくない」と考えてしまい、質問すること自体に緊張してしまいます。
実は、質問が思いつかない人の多くは、質問する力がないわけではありません。
大きなポイントは、「何か質問を考えなければ」と、ゼロから質問を作ろうとしていることです。
会話の中には、質問のヒントがたくさんあります。相手が話した言葉を一つ拾ってみるだけでも、次に聞くことは自然と見つかっていきます。
この記事では、「質問できない・思いつかない」と悩む人に向けて、その原因から、相手の言葉から質問を見つける方法、職場で質問するときのコツ、実際に質問する力を身につける練習方法まで、話し方教室の視点から解説します。
目次
人に質問できない・思いつかないのはなぜ?
「質問しなければ」と思っているのに、いざ会話が始まると何も浮かばない。この状態には、いくつかの理由があります。
「ちゃんとした質問をしなければ」と考えてしまう
質問が苦手な人ほど、「相手が喜ぶような質問をしよう」「気の利いたことを聞かなければ」と考えがちです。
でも、会話の中で必要なのは、いつも面白い質問や深い質問ではありません。
たとえば、相手から「この前、京都に行ってきたんですよ」と言われたとします。
「京都旅行の目的は何でしたか?」などと、きちんとした質問を考えなくても大丈夫です。
「京都ですか。何しに行ったんですか?」
これだけでも会話は動きます。
質問が上手な人は、いつも特別なことを聞いているわけではありません。
相手の話を聞きながら、「それ、ちょっと気になるな」と思った部分を拾っていることが多いのです。
頭の中で「質問」をゼロから作ろうとしている
「何か質問しなきゃ」と考えると、頭の中に大きな課題ができます。
「仕事のことを聞こうかな」「趣味を聞こうかな」「家族のことを聞いてもいいのかな……」
そうやって考えているうちに、会話のタイミングを逃してしまいます。
ここで発想を変えてみましょう。
質問は、自分で一から作るものではなく、相手の話の中から拾うもの。
相手が「最近、映画を見た」と言ったなら、「何を見たの?」と聞けます。「仕事が忙しい」と言ったなら、「何が一番大変なの?」と聞けます。
質問を考えるのではなく、相手の言葉を聞くことに意識を向ける。この違いが、質問への苦手意識を和らげてくれます。
「こんなことを聞いたら変に思われる」と考えてしまう
「くだらないことを聞いたと思われたらどうしよう」「相手が嫌な気持ちになったらどうしよう」と考えすぎて、質問できなくなる人もいます。
もちろん、相手のプライベートに踏み込みすぎる質問などには配慮が必要です。ただ、日常の会話で交わされる質問の多くは、もっとシンプルなものです。
「それってどんな感じなんですか?」
「いつからやっているんですか?」
「へえ、どうして始めたんですか?」
このくらいの質問でも、相手が話したいことを話すきっかけになります。
会話では「正しい質問」を探すより、相手の話に興味を持って聞くことのほうが大切です。
質問は「考えて作る」より「相手の言葉から拾う」
「何を聞けばいいのか分からない」という人に、まず覚えてほしいのが、相手の言葉を拾うという考え方です。
相手が使った言葉を、そのまま質問にする
たとえば、こんな会話があったとします。
相手「最近、キャンプにハマってるんですよ」
ここで「次は何を話そう?」と考え込む必要はありません。
自分「キャンプですか。どこに行くんですか?」
相手「この前、長野に行ってきました」
自分「長野ですか。どうでした?」
相手「すごく景色がきれいで」
自分「へえ、どんなところだったんですか?」
この会話では、難しい質問を一つもしていません。相手が話した「キャンプ」「長野」「景色」という言葉を、そのまま拾っているだけです。
質問が思いつかないときほど、頭の中から新しい話題を探すのではなく、今、相手が話している内容に目を向ける。ここが大きなポイントです。
「いつ・どこで・誰と・どうだった?」で話を広げる
相手の話から質問を拾うとき、迷ったら「いつ・どこで・誰と・どうだった?」という視点を使うと考えやすくなります。
たとえば「映画を見た」という話なら、
「いつ見たんですか?」
「どこで見たんですか?」
「誰と見たんですか?」
「どうでした?」
といった質問が考えられます。
全部を聞く必要はありません。相手の話を聞いて、「ここがちょっと気になる」と感じたところを一つ選べば、次の質問につながります。
質問を何個も準備しておくより、相手の話から一つ拾う。
この感覚を身につけると、「質問のネタがない」という悩みは少しずつ変わっていきます。
質問の前に「自分の一言」を入れてみる
質問ばかりが続くと、相手からすると少し尋問のように感じることがあります。
そんなときは、質問の前に自分の感想や体験を一言入れてみましょう。
「京都いいですね。僕も一度行ってみたいんですけど、どの辺に行ったんですか?」
「キャンプ、いいですね。最近ちょっと興味があって。どんなところが楽しいですか?」
「僕も映画好きなんですよ。最近は何を見ました?」
このように、「感想・自分の一言+質問」という形にすると、会話がぐっと自然になります。
質問することだけに集中すると、「次は何を聞かなきゃ」と焦ってしまいます。
自分の感じたことを少し挟むだけで、会話のキャッチボールになっていきます。
質問できないときに使える3つのコツ

ここまで読んでも、「実際の会話になると、やっぱり質問が出てこない」と感じる人もいるでしょう。そこで、すぐに使いやすい3つの方法を紹介します。
①「それって?」と一つだけ掘り下げる
相手の話の中に気になる言葉があったら、その一つを掘り下げてみます。
相手「最近、仕事が忙しくて大変なんですよ」
自分「そうなんですね。何が一番大変だったんですか?」
これくらいの質問で構いません。
相手の話を全部理解して、そこから完璧な質問を考える必要はありません。
耳に入った言葉の中から「ちょっと気になったものを1つだけ拾う」。そこから会話が始まります。
②「自分の場合」を少し話してから質問する
質問することそのものに緊張するなら、先に自分の話を少し入れる方法もあります。
「僕も人前で話すの苦手なんですよ。○○さんは、緊張したときってどうしています?」
「僕も最近運動不足で。○○さんは何か運動しています?」
こうすると、質問が突然飛び出してくる感じがなくなります。
「質問する側」と「答える側」をはっきり分けるのではなく、自分の話を少しして、相手にも聞いてみる。そんな感覚で会話すると、気持ちも楽になります。
③ 分からないときは「もう少し教えてください」と聞く
相手の話が専門的だったり、自分の知らない内容だったりすると、何を質問すればいいのか分からなくなることがあります。
そんなときは、分からないことそのものを質問にしてしまいましょう。
「それって、もう少し詳しく教えてもらってもいいですか?」
「そこがよく分からなくて。もう少し聞いてもいいですか?」
「それって、具体的にはどういうことですか?」
知らないことを無理に知ったふりをするより、「分からないので教えてください」と伝えるほうが、会話として自然な場面もたくさんあります。
職場で質問できない…上司や会議ではどうする?
「質問できない」という悩みは、職場になるとさらに強くなります。
「こんなことを聞いたら仕事ができないと思われそう」「上司に質問するのが怖い」「会議で発言したいけれど、何を言えばいいのか分からない」。
そんなふうに考えて、分からないことを抱えたままになってしまう人もいます。
質問がまとまらないときは「確認」から始める
仕事で質問するときは、気の利いた質問をひねり出す必要はありません。
「○○という認識で合っていますか?」
「念のため、○○の部分だけ確認してもよろしいですか?」
「つまり、○日までにここまで進めればいいということでしょうか?」
こうした「確認」も、立派な質問です。
むしろ仕事では、認識のズレを防ぐことが重要です。「分からないことを聞く」と考えると少し勇気がいりますが、「自分の理解が合っているか確認する」と考えると、言葉にしやすくなります。
会議で発言できないときは「質問」から参加する
会議になると、「自分の意見を言わなければ」と思ってしまう人もいます。
でも、最初から大きな意見を出す必要はありません。
「○○という理解で合っていますか?」
「その場合、○○はどうなりますか?」
「もう少し具体的な例を聞いてもいいですか?」
こうした確認や質問も、会議への大切な参加方法です。
「自分の意見を言う」ことだけを発言だと考えず、まずは分からないところを確認する、気になったところを聞くところから始めると、会議での発言に対する心理的な負担も軽くなります。
上司に質問するときは「ここまでは分かる」を伝える
上司に質問したいのに、「そもそも何が分からないのか分からない」という状態になることもあります。
そんなときは、無理に質問を一文にまとめようとせず、
「○○までは分かっているんですが、△△のところで迷っています」
と伝えてみましょう。
「全部分かりません」と伝えるより、「ここまでは分かる。ここから先が分からない」と整理すると、自分自身も質問しやすくなりますし、相手も答えるポイントをつかみやすくなります。
質問が思いつかない人がやりがちなこと

質問が苦手な人は、知らないうちに自分で難易度を上げてしまっていることがあります。
「面白い質問」をしようとする
会話が上手な人を見ると、「この人は気の利いた質問をするな」と感じることがあります。
すると、自分も面白い質問をしなければと思ってしまう。
でも、最初からそこを目指す必要はありません。
「それっていつからですか?」
「どうして始めたんですか?」
「実際にやってみてどうでした?」
こうしたシンプルな質問のほうが、会話では使いやすいものです。
次の質問を先回りして考えてしまう
「次は何を聞こう」「その次はどうしよう」と考えていると、目の前の相手の話を十分に聞けなくなることがあります。
質問は一つずつでいいのです。
相手が答えたら、その答えの中からまた一つ言葉を拾う。
「次の質問を考える」より、「今の答えを聞く」。
この意識に変えるだけでも、会話中の焦りはかなり変わってきます。
沈黙を怖がりすぎる
質問がすぐに出てこないと、「早く何か言わなきゃ」と焦ってしまいます。
焦るほど頭の中が忙しくなり、余計に言葉が出てこなくなる。これは質問が苦手な人によくある悪循環です。
少し間ができても、それだけで会話が失敗したわけではありません。「そうなんですね」と一度受け止めてから考えてもいい。
会話では、すぐに答えることよりも、相手の話をちゃんと聞くことのほうが大切な場面もあります。
質問できるようになるには「知識」だけでなく練習が大切
ここまで読んで、「なるほど。相手の言葉を拾えばいいんだ」と思った人もいるでしょう。
ところが、実際に人を前にすると、頭では分かっているのに質問が出てこないことがあります。
これは不思議なことではありません。
頭で「相手の言葉を拾おう」と理解することと、実際の会話の中で相手の話を聞きながら、自分の言葉を返すことは別の力だからです。
「相手の言葉を拾う」を声に出して練習する
質問する力を身につけたいなら、まずは身近な人との会話で練習してみましょう。
たとえば、
「昨日、映画を見た」
→「何を見たの?」
「仕事が忙しかった」
→「何が一番大変だったの?」
「休みの日に買い物に行った」
→「どこに行ったの?」
このように、相手の話から一つ言葉を拾って質問します。
ポイントは、質問の種類を増やすことではありません。「相手の言葉を聞いて、そこから一つ拾って声に出す」という流れに慣れることです。
一人で考えるより「実際の会話」で練習する
質問の作り方を本やブログで学ぶことはできます。それでも、「知っているのに会話になると使えない」ということがあります。
実際の会話では、相手の表情や声のトーン、話すスピード、その場の雰囲気など、文章には出てこない情報も受け取るからです。
だからこそ、実際に人と話しながら練習することに意味があります。
最初からスムーズに質問できなくても構いません。「今の質問、もう少しこう聞けばよかったな」と振り返る。その繰り返しが、自分の言葉で話す力につながっていきます。
話し方教室シャンティで「質問する」練習をしてみませんか?
「質問は相手の言葉から拾えばいいことは分かった。でも、人を前にするとやっぱり言葉が出てこない」
もしそう感じるなら、知識を頭に入れるだけで終わらせず、実際の対話の中で、自分の言葉にして声に出す練習をしてみるのも一つの方法です。
話し方教室シャンティでは、話し方の知識を学ぶだけでなく、実際に人と話しながら、「どう伝えるか」「どう聞くか」を練習することを大切にしています。
質問についても、「こういう質問を覚えましょう」というだけではありません。相手の話を聞き、そこから自分なりに言葉を選んで返してみる。うまく言えなかったときには、別の言い方を考えてもう一度話してみる。
こうした練習を重ねることで、頭の中では分かっているけれど口から出てこない、という状態から少しずつ変わっていきます。
「何を聞けばいいのか分からない」「質問しようとすると頭が真っ白になる」という方も、最初から上手に話す必要はありません。
まずは一つ聞いてみる。
相手の言葉を一つ拾ってみる。
自分の感想を一言添えてみる。
その小さな積み重ねから始められます。
まとめ|質問は「ゼロから作る」のではなく「相手の言葉から拾う」
「質問できない」「何を聞けばいいか思いつかない」と悩んでいると、「自分にはコミュニケーション能力がないのかな」と考えてしまうことがあります。
でも、質問が出てこない原因の一つは、「何か質問を考えなければ」と力が入りすぎていることです。
質問は、毎回ゼロから作らなくても大丈夫です。
相手が話した言葉の中から、気になったものを一つ拾う。「いつ?」「どこで?」「どうだった?」と聞いてみる。質問だけではなく、自分の感想を少し添えてみる。職場なら、「○○という認識で合っていますか?」と確認するところから始める。
そして、何より大切なのは、
「次は何を聞こう?」ではなく、「今、相手は何と言った?」
と考えることです。
質問上手になるために、特別な話題をたくさん覚える必要はありません。相手の話を聞き、その中から一つ拾って、自分の言葉で返す。その繰り返しが、自然な質問につながっていきます。
「質問できない自分」を責めるのではなく、まずは今日の会話で一つだけ、相手の言葉を拾ってみる。
そこから始めてみましょう。

